アースノーマット （アース製薬 液体蚊とり） ※1991～1995年製

メーカー：アース製薬株式会社
型　　名：アースノーマット
製　　造：１９９１～１９９５年　中国製


スタンダード（蚊取り豚） ・ ワイド＆セレクト と実験してき
ましたが、今回はちょっと趣向が違います。

電化製品はせいぜい１０年が寿命、問題なく使えていても部品
の劣化が進んでいるので買い替えが推奨されています。
でも、家の中を見渡すと結構古い電化製品ってありますよね？
最近の家電は耐久力が低く比較的早く壊れますが、古い製品
は２０～３０年平気で稼動しますから・・・皮肉な話です。

アースノーマットみたいな液体蚊取り、壊れてないのに買い替
える人ってまずいません。
だって問題なく動作してるから・・・

今回、約２０年前の製品をいくつか用意し、最近の製品と消費
電力的に何か違いがあるのか実験してみました。
（全て昨年まで普通に使ってた製品です）



本体に製造年月日の情報がないので電源コードに印字された
内容を基にしています。


２００２年製には穴に安全用と思われるバーが見えます、現在
販売されている製品には全てこのバーがあります。



実験時間は約１４分です(データ取得間隔は１秒)


わかりやすいように今まで実験したノーマットもあわせて全部
を並べてみました。
この製品は公称消費電力が５Wですから、電源投入直後の異
常さがわかるかと思います。


１９９１年・１９９２年・１９９５年製だけを抜き出してみました。

※わかりやすくする為に５秒ずつずらしてます。

公称値５Wに対し１９９1年製はピーク６７Wまで上昇してます。
２分もしたら１０W以下まで下降してるので短い時間ではあり
ますが、公称値の１３倍以上はさすがにびっくりです。


傾向として古い製品ほどピークが高くなっていますが、いくら
２０年前とはいえ設計上こういう酷いピークにするわけが・・・
実はこの件でアース製薬さんに問合せしてみました。

Ｑ．初期値で消費電力３０W程度を示す古い個体があるけど劣化？

Ａ．昔は突入電流のせいでそういうのもあったけど今は低いゼ！

実際はちゃんとしたやり取りですが要約するとこんな感じです。
ちなみに、問合せ時点で１９９２年・１９９１年についてはまだ実
験してなかったので１９９５年を念頭に３０Wと記載しました。
（アース製薬お客様相談室様、対応ありがとうございました）


という事で消費電力が高いのはどうやら設計仕様のようです。
う～ん、突入電流が高い製品はいくらでもありますが、公称消
費電力の１３倍が実測できるような設計ってダメじゃね？

実験結果から推測すると、もっと古い製品はさらにピークが高
い可能性もあります。
最近の製品には温度ヒューズ内蔵と記載があるけど古い製品
には入ってるのかな？
設計上どの程度耐えられるのかわかりませんが、古い製品を
お使いの場合は劣化の不安があるので電源投入直後に注意
が必要です。


５W以下だけ拡大してみました。


３W台後半で安定しているようです。

公称値に納まっているので仕様上は問題ないのですが、ワイド
・Select・蚊取り豚などの今年購入した製品が２W代前半で推
移している事からすると、古い製品は全体的に消費電力が高
いようですね。


普通に考えて、消費電力が増えたら発熱量が増えるので薬剤
の揮発量も増えている可能性があります。
実際、電源を入れた直後は薬剤の臭いがかなりしましたし・・・

つまり、あまり古い製品を使うと揮発量が増えてしまい謳われ
ている日数よりも取替えボトルが早く空になるかも知れません。
又、揮発量が増えると空気中の薬剤量が濃くなるので効果が
高くなりますが、その分植物・ペット・人体への不安が・・・
揮発量が異なるような仕様変更を黙ってしてるとしたらちょっと
問題な気がしますが実際どうなんでしょ？

結論として、アースノーマットの（２０００年以前の）古い製品は
劣化に関係なく仕様上不安があるし損をしてる可能性もあるの
で買い替えた方がいいような気がします。
そもそもアース製薬は本体寿命を７～８年としていますしね・・・


なお、同種の製品（ベープリキッド）とどちらが効果があるかと
いう一考察を こちら の投稿の下の方に記載していますので
本体ごと買い替えるのであれば参考までにご一読ください。


最後に、この製品に限った話ではないですがAC電源の機器は
全て製造年を本体に表示すべきだと思います。
古い製品の使用中止を訴えながら、肝心の『いつ製造された
のか』が消費者にわからないってバカにしてると思いません？


家電の消費電力測定履歴は こちら です。